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コミティア96で出会った本たち(その2)

 2011-05-10
 今回はしんみりいいお話系です(既刊2冊、新刊1冊)

・「四葉のクローバー」(非常階段さん)
・「ハトノ時計店」(はなとすみねこさん)
・「お狐さま」(るんるん庵さん)

以上3冊についての感想です。



・「四葉のクローバー」(非常階段さん)(発行日:20100505)
四つ葉のクローバー

 昨年の5月のコミティアで出た本で、2本収録されています。
 1本目は表題作の「四葉のクローバー」。
 少年が道端で見つけた四葉のクローバーを積んで持ち帰ると、その夜そのクローバーが生き物の姿になって……。
 人間の言葉は話せないけど理解は出来る四葉のクローバーは、少年にしあわせをくれに来たのですが、少年が思っていたものと違うと言われて泣き出す場面にこちらも悲しくなりました。泣かないでー!(笑)

 クローバーにホットココアを飲ませている間、少年はしあわせについてあれこれ考えますがどれもしっくりこない。
 確かにいざ「しあわせ」なことをひとつだけ、となると何が良いのかよく分からなくなります(お金も大事ではありますけど……)。

 少年がクローバーに「しあわせ」を尋ねてみると、じっと見つめだしたのはカレンダーの写真。
 その写真には「太陽がいっぱいの穏やかな草原」が写っていて、少年は自分が四葉のクローバーのしあわせを奪っていたことに気付いて謝るのでした。
 するとクローバーはもとの姿に戻っていて、少年はそのクローバーをもとにあったところに戻すのでした。
 少年と少女が一緒に楽しそうに歩いているところを、そのクローバー(生き物の姿版)が微笑みながら見つめているところでこのお話は終わります。
 ちなみに微笑むクローバーはちょっとよく見ないと見つけにくいかもしれません(笑)。

 自分が幸せになることは、他の誰か(何か)の幸せを奪うこと、というのがテーマなのかは分かりませんけど、そういうこともあるよねーとふと思うのでした。

 もう1作は「joulupukki ヨールプッキ」というタイトルですが、フィンランド語で「サンタクロース」という意味だそうです。

 母さんの療養で東京から地方に越してきた男の子・中根くんはサンタなんていないと思っている。
 というのも、彼の父が広告の仕事をしているために「おとなが僕らの夢を食い物にしてるってこと」をおもいしらされてしまったから。
 そうなった場面を見ていて、少し悲しくなってしまいました。夢を壊すことを言ってはいけませんね。

 でも同じクラスの山田君は、外国にはちゃんとサンタがいるかもしれないと思っているし「そう思うったらなんだかワクワクしない?」とも言うのです。
 その言葉に顔をしかめて早足で立ち去ろうとする中根君ですが、それは山田君がそう言えることを羨ましく思ったからでした。
 純粋な気持ちって、いつまで保つことが出来るのでしょうね……。

 1作目は暖かい感じで、2作目は少し苦い感じで終わるこの本ですが、どちらも読んでいて心に重くのしかかる場面があるのが印象的です。
 前回のコミティアで頒布されていた「ペンギン日報」(以前感想を書きました)にもそうした場面があり、この作者さんの傾向なのかな、と思ったりしました。


・「ハトノ時計店」(はなとすみねこさん)(2010/05/04)
ハトヤ時計店

 昨年の5月のコミティアで出た本ですね。
 デザイナーを目指して東京に出たものの、十年後に会社を辞めてしまった主人公(女性……ですよね?)。
 父の体の不調のため、十年ぶりに地元に戻ってきた主人公のコートのポケットには、動かなくなった腕時計があった。
 それは父からもらったもので、秒針の先に羽ばたくハトがついていたが、主人公は「ださくて、子供っぽい時計」と思っていたので使わないままだった。
 「でも何故か気になって捨てられなかった」その腕時計を、地元の腕時計屋さんに見てもらうことに。

 その腕時計は電池が切れただけで壊れてはいないと言われて安心する主人公。
 その間に東京にいたときの自分を思い返すものの、やってきたことが無意味だったととれるようなところが何とも切ないです。苦い……。

 何も手に入れられず、十年間無駄に過ごしてしまったと思っている主人公をなぐさめ、励ます時計店のご主人の言葉は、同じような思いをしている読者にも効くのではないでしょうか(少なくとも自分にはそう感じました)。

 電池交換と簡単なメンテナンスをしてもらい、その上父親へのお見舞いとして酒饅頭をもらった主人公は、すがすがしい気持ちになったところでこのお話は終わります。

 割と腕時計に興味のある方かな? と思いながら読んでいたらペーパーで「時計の世界が素敵過ぎて力不足を感じるんです…」とありますから、そうみたいですね。確かに腕時計の世界は奥が深いです……。
 

・「お狐さま」(るんるん庵さん)(2011年5月5日)
お狐さま

 こちらは今回のコミティア合わせの新刊ですね。
 会社を首になりやけ酒で酔った主人公の里美さんが帰り道の稲荷神社で狼藉三昧(笑)をしたところ、それを懲らしめに神社の神・命婦権現天狐(みょうぶごんげんてんこ)がやって来たのでした。
 ですが里美さんはやって来た天狐さまを見て、かわいいと思って全く反省の様子が無いのでした(笑)。

 基本的にコメディタッチの作品ですが、二人の別れの場面はじーんときました。
 短い間とはいえ一緒に仲良く暮らしていたのですから、情も移るでしょうから……。

 じーんとさせるのは、そうした別れがあるからだけではなくて、時の流れで変わるもの(里美さんはじめ人間)と変わらないもの(天狐さまと神社に植えられている桜の木)の対比もあるからだと思いました。
 ちなみに天狐さまは20年来探している女性がいたのですが、その人は既に子供のいる母親となっていました。
 天狐さまがその女性に声をかけづらくなり、そっと立ち去る場面もまた物悲しいです。

 最後は桜の花の咲く中、里美さんが天狐さまのために作ったお弁当を稲荷像の前に置いて去るところで終わりますが、心温まる終わり方でホッとするものがありました。

 コメディタッチの作品と書きましたが、天狐さまが2000円札を偽札扱いする場面と、天狐さまが里美さんの面接の練習のために面接官に化けるのですが(眼鏡美人)、天狐さまがとぼけた質問ばかりするので、里美さんが本番の面接では物足りなく感じる場面に笑いました(笑)。

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