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『ユリポップ』(著:珠月まや・百合姫コミックス・一迅社)感想

 2010-05-20
ユリポップ表紙

 雑誌連載時は未読だったので、どのような作品なのか楽しみにしながら買った『ユリポップ』。
 『にゃんことカイザー』(今月22日に最終巻の3巻が発売!)では、下ネタという危険球連発のギャグ4コマを描かれ、同人誌(短編集『好花』の感想参照)では、しんみりするお話も描かれる珠月先生だけに、どのような作品になるのか読むまで全く分かりませんでした。
 ギャグ寄りなのか、真面目寄りなのか。
 そして何よりも、買って良かったと思えるのか。

 そして発売日に購入&読了。
 結論から言えば、買って良かったです!
 同じ学校に通う5組の女の子同士のカップルが織り成すギャグあり、心にしみるお話あり、甘くてくすぐったいお話ありとカラフルなお話の数々は、実に「ポップ」です。
 そして、それらの要素のバランスが上手く取れているのも好きなのです。

 他に好きなところは、終わり方のすがすがしさ。
 この作品、基本的には1話ごとに1カップルにスポットを当て、二人が仲良くなる過程を描いているスタイルがとられています(月子とひめの回はちょっと例外的ですし、他に複数回登場するカップルもありますが)。
 そうして各カップルが仲良くなる過程をきちんと描いた上で、描き下ろしの最終話でみんな仲良くデート、というあたりはすがすがしいと思いました。

 どのカップル(お話)も見所があって、どれが1番と決めるのは難しいです。
 というわけで、各カップルとお話の好きな所と見所をつらつらと。
 ある意味ネタバレですので、まだ読んでない方はご注意を。



 1話目は、ポジティブシンキングな月子と、彼女が好きな女の子・ひめのお話。 
 月子がどう前向きかと言うと、ひめにそっけなくつれない態度をされても、ひたすら笑顔で話しかけるほどに前向きです。
 といいますか、ひめは月子が嫌いなのかな? と思ってしまいますけど。

 そんな月子は、放課後の誰もいない教室で、ひめの縦笛をこっそり吹くほどにひめが好きなのです! 
 最初この場面を見たときは「さすが『にゃんことカイザー』でスレスレなネタを描くだけあるなあ」と思いました(笑)。
 
 月子がひめの縦笛を吹くところはあっさりひめに見つかるのですが、ひめは「(月子の笛と)間違ったんでしょ?」と気づいてない様子。
 本当に気づいてないのかなと思っていたら、最後にもう一度月子がひめの縦笛を吹く場面で、瞳をキラキラさせながらその様子を見ているわけですよ、ひめが。
 しかも「月子……バカでかわいい……」と思いながら(笑)。
 結局はひめも月子が好きだったのですね。
 そんな意外なオチにやられたと思い、『ユリポップ』の世界に引き込まれてゆく自分なのでした。

 なおこの二人、4話目と8話目(雑誌連載時の最終話)でも登場して、前者では月子の不思議キャラぶりが、後者ではひめの照れ屋さんぶりと甘い結末を楽しめます。

 2話目は、春香先輩に告白して付き合うことになったユキの戸惑いと、その戸惑いを振り切るお話。

 勇気を出してユキが告白した相手は、先輩の春香と言う女の子。
 無事受け入れてもらえて喜びでいっぱいのユキに、クラスメートから何か引っかかることを言われ、じきにそれを理解することに。
 春香から自分に関することをとことん調べられ、怖くなるユキ。

 自分は春香を好きではなかったのかも、と戸惑うユキに、月子から「センパイはユキちゃんのこと 気になるから調べるんじゃないのかな?」「それってきっと愛情表現だよね」とのアドバイスが。
 さらに「ユキちゃんはセンパイのことちゃんと知ってたのかな?」と問いかけられ、迷いを断ち切ることが出来たのでした。
 
 こうしてみると、ユキは2回春香に告白しているようなものですね。
 告白とは、恥ずかしい思いをする覚悟が必要なだけに、ユキもかなり精神的に成長できたのでは、と思います。
 ユキの告白をどちらも屈託無く受け入れる春香も素敵ですけど。

 3話目は、付き合ったばかりの二人の両親が再婚したことで、一つ屋根の下で暮らすことになるカップルのお話。

 ゆゆの父親と自分の母親が再婚したことで、ゆゆと同じ家で暮らせることになった美晴。
 でもそれは(戸籍上)姉妹になることも意味するため、恋人同士らしいあんなことやこんなこと(笑)ができなくなることも意味するのでした。
 
 恋人ではなく、姉としてゆゆに接しようと努める美晴の涙ぐましい努力が笑えます。
 二人きりになり、ゆゆにチューしたくなるのを抑えたり、思い切って一緒に寝ようと誘ったものの結局ゆゆに何もしなかったり。

 でもゆゆは、美晴が何かしてくれることを期待していたという衝撃の事実が!
 そのあと美晴にチューしてくれるようお願いするあたり、ゆゆも積極で気ですね!(笑)
 いや、美晴が意気地無しなのでしょうか……?

 ちなみに6話目でもこの二人がメインで登場して、積極的なゆゆと動揺しまくる美晴を楽しむことが出来ます。
 ゆゆちゃん、恐ろしい娘!(笑)

 5話目は、とても好きなお話の一つです。これまたちょっと変わったキャラが出てきますが、それでもいいお話に仕上がってます。

 勉強もスポーツも万能な人気者・通称「はくしゃく」ことエリカに突然キスをされたひなた。
 自分は何をやっても上手くいかないので、「最後の砦」となる図書館のカード整理を頑張るも、手伝ってくれたはくしゃくに速さと正確さで負けてしまいます。
 ここでひなたが落込む場面に少し胸が痛みます……。

 その後のひなたとはくしゃくのやり取りは、本作で一番好きな場面です。
 自分に自信のないひなたは、なぜはくしゃくが自分を好きになったのかが分からない。
 自分のどこが好きかというはるかの質問にも「そんなものは「無い」」と言うはくしゃくですが、それは「全部が気にいってる」から。

 それでもなお弱気なひなたに、ひたすらまっすぐにひなたを好きだと言うはくしゃくは、本作で非常に輝いた存在です。
 そしてようやくひなたもはくしゃくを受け入れてキスをするのですが、このあたりは実にくすぐったいです(笑)。
 このまま幸せの余韻に包まれて終わりと思いきや、意外なオチが待ち受けていますが、それは読んでみてのお楽しみ。
 そこまで好きなのにそれは無い! と思うオチです(笑)。

 7話目も好きなお話です。しんみり系には弱いです。

 かわいいけど、そっけない態度のせいで人気が無いクラスメートの三日月さんが気になるようになった宇佐美さん。
 ふとしたことで、三日月さんは実はあまのじゃくだと知ったために、宇佐美さんは三日月さんのことが気になるようになり、一緒に帰る仲になりました。
 
 帰り道、綺麗な夕日が見える場所で立ち止まる三日月さんですが、宇佐美さんにこの場所が好きかと尋ねられても「嫌い」と答えます。
 というのも「無くなったとき嫌だから……嫌い……」だから。

 これで三日月さんが好きなものを「嫌い」と言っていた理由が明らかになりますが、極力自分が傷つかないようにするための手段とはいえ、これが後の悲劇を招くのですが。

 後日、月子に二人は「お友だち?」と聞かれた三日月さんは「友だちなんかじゃない」と言ってしまいます。
 ショックを受けた宇佐美さんは、極力平静を装いながらも教室から出てゆきますが、読んでいて胸が痛みました。

 ですが、突如窓の外(校舎の2階!w)から現れたはくしゃくに問いただされた三日月さん、屋上で泣いていた宇佐美さんに、ようやく素直な想いを伝えるのでした。
 そして仲直りのキスをしますが、もう一度しようとする宇佐美さんを断り、「されるのは嫌い するのは好き…」と言うのも好きな場面です。
 お幸せに!(笑)

 9話目は描き下ろし。
 8話目でほぼ全員がそろってデートすることになった流れを受けてのものですが、このお話こそ雑誌連載での最終回になるべきお話だと思うのは私だけでしょうか。

 8話目では登場しなかったはくしゃくとひなたも参加して、水族館でのデートとなりますが、一応カップルごとに分かれます。
 そこでの各カップルのやり取りも、愉快だったり甘かったりと様々です。
 私は三日月さんと宇佐美さんの場面がお気に入り。
 三日月さんは水族館が一番好きと言いますが、「もっと好きなもの出来たかも……」とつぶやくところが好きなのです。
 宇佐美さんには「ひみつ」と言いますが、何が一番なのかをここに書くのは野暮と言うものでしょう。

 最後は月子とひめが二人きりになり、いい感じになるのかなと思っていたら、見事なまでのギャグ路線でした。
 本当にひめは照れ屋さんですね(笑)。

 こうしてみると、月子とひめはメインカップル的な扱いと思われますが、お話はギャグ寄りです。
 あと美晴とゆゆのお話も2回登場しますが、こちらもどちらかというとギャグ寄り、だと思います。美晴の悶々とした様子が笑えるといいますか。
 ギャグ寄りのお話が多めであることで、胸が痛むシリアスなお話もより強く印象に残りますし、その点ではバランスの取れた良作だと思います。
 ちゃんとみんな幸せなところも、読んでいて安心できますし。
 あれ? 月子とひめは幸せなのかな?(笑)
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