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「好花(珠月まや短編集)」(ミュンヒハウゼン症候群)感想

 2010-03-02
 早いものでもう3月。コミティアがあったのがついこの間のよう……。
 数は少ないながらも本をあれこれ買ったわけですが、その中で特にグッと来たのが今回取り上げる『好花(珠月まや短編集)』(ミュンヒハウゼン症候群さん)です。
 奥付には「2007・12・31」とありますので、既に2年以上経っているわけですが……。
 それでもいいなと思ったので書き記しておこうと思ったのでした。感動作もありましたし。

 既発表作品が6本と、書き下ろし作品1本の計7本が収録されたこの短編集。
 『にゃんことカイザー』(一迅社・ぱれっとコミックス。3巻が4月売予定! 楽しみ)では危険球投げまくりのアレなギャグ応酬の作品を描かれる珠月先生ですが、ここではそうした要素は一切ありません。
 ギャグ以外の作品集ですが、強いて言えば感動できる作品が多めの印象です。

 「かみさまのほし」(SF色が強い。ひねりの効いたラストがいい)、「フシギナセカイ」(微笑ましくてくすぐったい恋愛もの。恋が世界観を変える?)、「SOUNAN-DESU」(無人島から脱出を試みる少女と、しゃべる鳥という謎の生物が生むコメディ)の3作品も好みですが、感動したり涙ぐんだりしたのがこれから取り上げる4作品。

 まずは「ダイスキナキミ」から。
 「愛は食物連鎖に勝てるか?」がテーマかもしれませんが、本当のところは分かりません。
 「自己犠牲をもいとわぬ純粋な恋愛」がテーマかもしれません。その両方かもしれませんし、微妙に違うのかもしれません。

 かつては肉食だった恐竜(モデルはティラノザウルス?)と、それに食べられる側だった草食恐竜(モデルはトリケラトプス?)。
 食べられる側が食べる側に、自分を食べないよう頼んでから長い時が経ち、人型になって恋人同士になっていた両者。

 かつては肉食だったティーちゃん(イケメン)も、長い歳月のうちに肉食ではなくなっていた……はずが、恋人のルカ(元草食恐竜)に抱く「タベタイ」という思い。
 隠し続けていたつもりでも、ルカにはお見通しで「食べて良いよ」と言われて心乱れるティー。

 結局はティーの理性が勝つのですが、ルカがティーに「私が死んじゃったら食べても良いよ」と屈託の無い笑顔で話す場面にグッと来ましたね……。
 
 その後の(自分がティーに食べられなくても)「大好きなティーちゃんと一緒に居られるもの」とルカが語る場面、そんなルカに「ありがとう」とティーが言い、「どういたしまして」とルカが返すラストにもジーンとしました。
 ちなみに単独の本として出ていた時、二人は恐竜の姿をしていて、ティーがルカのしっぽを口にしようとするイラストがあるのですが……(笑)。

 お次は「マイスィートショコラ」、「空を飛ぶ方法」、そしてタイトル無しのこれら2作の後日譚の3連作。
 これらもまた先の「ダイスキナキミ」とは違う意味で感動しました。

 「マイスィートショコラ」からは、「大きくなるにつれて失ってしまったかもしれない純粋な思い」の大切さを強く感じました。

 幼い女の子・ちよこが見た、空を飛ぶ人。
 母親には「人が飛ぶ訳ないでしょ?」と笑って返されるも、自分も空を飛ぼうとほうきにまたがり練習。

 そこへ先の空を飛ぶ人(魔女)が現れて、飛べると信じれば飛べるし、飼い猫(ココア)と話せると信じれば話せると教わります。

 「信じる」ことで一瞬飛べたように感じたちよこですが、あっさり地面に顔から落下(笑)。
 そこに聞こえて来た「大丈夫?」の声ですが、辺りにいるのは猫のココアだけ。
 もう一回話すよう頼むも「ニャー」と鳴くだけのココアでしたが、笑顔を見せて「まぁいいかー」と言うちよこが実にすがすがしいです。

 たった1回きり、ほんの一瞬だけちよこが体験できた不思議な出来事。
 他愛ないといえばそれまでですが、できると信じることは意外とバカにできないと最近私は思っています。
 それだけに、この作品に出会ったタイミングの良さに不思議な思いもしています。

 お次は「空を飛ぶ方法」
 こちらは進路に悩む女子高生と、彼女を励ますちよこ(「マイスィートショコラ」に出てきた女の子)の前向きなお話。
 
 女の子が進路に悩むのは、急に言われたことだけでなく、小さい頃持っていた夢(お花屋さんになる夢)が、大きくなるにつれて無理っぽいと気づいてしまったから。
 そんな彼女に、幼い頃魔女になりたかった事と、幼い頃の不思議な体験(「マイスィートショコラ」の内容と同じ)と打ち明け、励まします。

 「人は飛べないよ」と悲しそうに言う女の子に対して、ちよこが「夢に向かって飛んでいくのさ!!」と力強く語る場面がとても好きです。
 
 直後の「だからさ 一緒に飛ぼうよ」と言う言葉や、女の子に花屋さんになることを強く勧めるところも好きです。
 
 これらのちよこの前向きで力強い言葉に吹っ切れたのでしょう、女の子が笑顔で「私の夢は叶うかな?」と言うところと、それを受けてのちよこの「叶う 信じろ!!」、「信じて頑張れば叶う!!」と言う場面も好きです。
 要するに後半は好きな場面のオンパレードです。
 もっと正確に言えば、好きな「言葉」のオンパレードでしょうか。

 余談ですが、最近私は松岡修造氏の熱い言葉が好きです。
 諦めないこと、頑張ることを力強く語る氏の姿勢が大好きだけに、この作品(含めた前後の作品)を特別な思いで見ているのかもしれません。

 最後はタイトルの無い作品ですが、上記2作の後日譚的内容です。

 頑張って夢をかなえてお花屋さんを経営するかつての女子高生が、自分の将来に悩む幼い女の子にアドバイスするのですが、すぐには答えを出さず「もうちょっとだけ 大きくなるまで どうすれば良いのか ゆっくり考えましょう」の言葉に感心しました。
 大きくなるにつれて、女の子もいろいろ見たり聞いたり体験して、できることとできないこと、本当にしたいことが分かってくるでしょうから……。

 最後は宇宙飛行士になったと思われるちよことの電話での会話で終わるのですが、ハッピーエンドで温かい内容がとても好みです。

 ちなみにコミティアでは、この短編集も含めて何冊かが在庫一掃セールでお安く売られていたので、単独で発表されていた「ダイスキナキミ」と「空を飛ぶ方法」と「かみさまのほし」も一緒に買ったのはここだけの話です(笑)。
 表紙がカラーで楽しめるからいいか……ということで(笑)。
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