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『ふるーつメイド』3巻(寺本薫:著・アクションコミックス もえよん・双葉社:刊)感想

 2009-12-13
ふるーつメイド3巻

 掲載誌・媒体を変えながらも、6年に渡り連載されてきた『ふるーつメイド』の最終巻となる3巻が発売されました。
 終盤、一成が誰を選ぶかとか、それぞれのキャラが歩む道についてのややシリアスな要素もあるものの、「コメディ」と呼ぶにふさわしい作品だったと思います。

 描き下ろしに、連載終了から5年後のみんなが描かれた8ページの4コママンガが収録されています。
 最後の場面では、ほんわり心に残る余韻を感じました(詳しくは後程)。

 一応、一成が漫画家になれるかが本作の本筋のようですが、私としては一成とメイドさん3人のやり取りにおけるコメディ部分がメインでした。
 苺ちゃんも林檎さんも蜜柑さんも、それぞれ微妙な距離感の違いや温度差はありながらも、一成に好意を寄せていたわけで、それらの要素とキャラごとの性格の違いから生まれるやり取りの面白さが好きなのです。

 最終的に一成と両想いになったメイドさんが誰かについては、単行本を読んでいただくとして……あ、こんなところにネタバレが。更には以下にもネタバレが。
 
○携帯電話という媒体での連載作品が、単行本で読める嬉しさ

 冒頭でも触れましたが、本作は掲載誌(「もえよん」→「まんがタウンオリジナル」)のみならず、掲載媒体(「ケータイまんがタウン」。月々の有料契約を結ぶ事で、携帯電話で読めるサービス)を変遷しての連載作品でした。
 3巻に収録されているのは、描き下ろし以外は全て「ケータイまんがタウン」で発表されていたものです。
 
 「ケータイまんがタウン」で発表された作品は、小さい文字や絵が大きくなったり、場面に応じて振動機能が働いて携帯電話が震えたり(オフにすることも可能)、画面がスクロールするなど、紙媒体とは異なる演出が盛り込まれています。
 これはこれで面白い機能ですが、一コマずつ見て行くのはちょっと面倒でした。
 あとやはり画面の小ささも気になってましたし……。
 月々の契約をしていれば、バックナンバーをいつでも見られるメリットもあるのですが。
 
 ですから、単行本という紙媒体で読めるのは素直に嬉しいです。
 単行本の良さというと、単純にまとめて読めることがメインです(描き下ろしも楽しみの一つですけど)。
 携帯電話に載っている作品はそれに加えて、自分のペースで好きなように読み進めたり、眺め渡す事ができる嬉しさもあります。
 あと携帯電話の画面よりも絵が大きくなりますからね。

○印象に残った場面語り・ちょっとシリアスな場面編

 最終的には、一成と苺ちゃんが両想いになるわけですが、一番印象に残った場面はちょっと違いまして。
 私が一番印象に残った場面は、林檎さんが一世一代の勇気を出して、一成に思いを告げた後の場面でした。(ACT54)

 林檎さんの想いをきちんと受け止めた一成の優しさに、林檎さんが一成に寄り添って両手を顔にあてる場面は、読んでいて本当に切なくなります。
 選ばれる人がいれば、そうでない人が必ず出るわけですが、切ないながらもある種の残酷さを感じないように描いた作者の力量……というか優しさを感じる場面でもありました。
 
 他に印象的な場面は、やはりラスト。
 連載終了から5年後という設定で、それぞれのその後が描かれています。
 そこでの3人のメイドさんの髪型の違い(ショートだった林檎さんと蜜柑さんはロングに、逆にロングだった苺ちゃんはショートに)も新鮮ですけど、性格や言動はそれまで通りなので一安心です。
 変わった部分もありますけれどもね。

 そして冒頭でも軽く触れましたが、本当にラストの場面、一成がメイド修業から帰国した苺ちゃんに「…お帰り 苺ちゃん」と言い、苺ちゃんが「ただいまです 一成さん」と言う場面。
 この何気ないやり取り自体も、どこかほんわりする余韻を残すのですが、苺ちゃんが一成を「さん」付けで呼ぶところが大事かなと。

 それまでは、一成に対してはご主人様として接していたので「ご主人様」と呼んでいた苺ちゃん。
 ですが、「さん」付けで呼ぶことで、二人の関係が「主従関係」から「フラットな関係」になったことを、はっきり表しているのでした。

○印象に残った場面語り・いつもの(?)コメディサイド編

 どうしても印象に残りやすい、ラスト近辺以降のややシリアスさを含む回以外で、好きな場面などをあれこれと。

 3巻冒頭のACT38、蜜柑さんの過去が垣間見られるお話も好きです。
 そこで見られる過去の蜜柑さんの武勇伝や、蜜柑さんを気遣う一成の優しさが良いなと。

 以前働いたという「○×組」(どうみてもコワモテ系の組です)に、蜜柑さんと一成が訪れるのですが、そこでの蜜柑さんはちょっとバイオレンス。
 一成を悪く言うなら、かつてのご主人様・政策(組長っぽい)にも容赦なくすごんだり、作った料理に文句を言う組員にナイフを投げつけたりしますから(笑)。
 
 蜜柑さんの過去について、敢えて聞こうとしない一成の優しさが見える場面もまた良いなと。
 更にいえば、自分の過去を気にする蜜柑さんにグッと来たり。

 他には、3回連続での、3人のメイドさんとのデート編も好きです。
 1回目は蜜柑さん編。
 苺ちゃんと林檎さんが跡をつけないようトラップを仕掛けたり、動物園の熊を見ては効率よい倒し方を考えたり、ガンシューティングが得意だったりというのがさすがです(笑)。
 でも一番面白いと思ったのは、帰国して一緒に組んだパートナーの男のその後を語りかけて、止めてしまうお話。
 一成でなくてもその後が気になります(笑)。
 自分から一成にキスしようとする積極的なところもありますし(未遂に終わりますがw)。

 2回目は林檎さん編。
 何だかんだ言いながらも遊園地のイベントや、一成とのデートを楽しむ素直でない林檎さんが微笑ましいです。
 特に帰りの満員電車で偶然密着する事になり、顔を赤くするところにグッと来ました。

 3回目は苺ちゃん編。
 いつの間にか胸が大きくなっていたり、プールにスク水で現れたりなどなどツッコミどころがあって面白いです。
 後半は一成からプレゼントを買ってもらったり、大人っぽくなろうと口にしたら、一成に今のままでも魅力的と言われてパニックになったりと、苺ちゃんには嬉しい出来事が描かれていて、ちょっと落ち着いた趣になるのも好きだったり。

 ACT45での、蜜柑さんと林檎さんの新人時代のお話もお気に入り。
 蜜柑さんが作った「過去が見られる枕」のおかげで、一成は二人の新人時代にタイムスリップ(?)して行動を共にするのですが、蜜柑さんと林檎さんのその後に影響を与える事になっていたり……。
 その点はちょっと不思議な感じもありますが、蜜柑さんが何でも作れるほうが不思議かも(笑。林檎ロボや苺ロボまで作ってますし)。

 新人時代の蜜柑さん、どこかよその国で銃の運び屋(?)をやっていて物騒ですね。
 でも穏やかでほがらかなところは変わっていないのが好きです。
 一方林檎さんは、すでに一成に対してつっかかる言い方で、今と変わらず(笑)。
 実は大のネコ嫌いだったものの、怖いからというよりは、自分がネコに落ちるほど好きになるのが嫌だからというのも変わった理由です(笑)。

○最後に

 もしこのあと番外編が描かれる事があれば、蜜柑さんの過去について掘り下げたお話を読んで見たいです。
 3人の中で一番壮絶な人生を歩んできた感じがする蜜柑さんだけに、重いお話になるかも知れせんが……。

 ドジっ娘テンプレ満載の苺ちゃん、ツンデレ要素いっぱいの林檎さん、そしてミステリアスな影を持ちながらもさっぱりしていた蜜柑さん。
 この3人が織りなす愉快でにぎやかなコメディも、これにて終焉となりましたが、まずはお疲れ様でした!
 
追記

 寺本先生の作品には、背景やモブキャラに小ネタが仕込まれていることが多いのですが、この作品でも例外ではありません。
 3巻でも何箇所かで『ちびでびっ!』のカップル、やっさん(王冠をかぶったわんこ)と綾姉さんが出てきてます。

 あと、2巻の目次イラストで林檎さんが手にしている本「ツメのながいにゃんこ」が描き下ろしページで載っていたりします(笑)。
 アシスタントのWさんが描かれたそうですが、筆ペンらしきもので描かれた、たくましくて勢いある描線がインパクトあります。
 お話は、にゃんこが自慢の(?)長いツメを平和のために駆使するのですが、至ってまったりしたゆる~いものです。
 まさか本当にこうして発表されるとは思っていなかったので、ちょっと嬉しかったりします。
 こうした遊び心もいいですよね。
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