2009'06.07.19:01

女子高生たちがメインキャラの作品、と聞くと「華やかでにぎやか」に加え、昨今のブームを受けて「萌え」(定義が曖昧な言葉ではありますが)のイメージを持つ人も多いでしょう。
例えば『ひだまりスケッチ』とか『けいおん!』とか。微妙に偏りがあるのは気のせいです。
ですがこの『ただいま勉強中』は、「華やかでにぎやか」でこそあれ「萌え」要素は乏しい感じがします。
今挙げた作品と比べても、この作品は全体的に淡々とした雰囲気が漂うようにも思います。
絵柄にしても、キャラクターの言動にしても、必要以上に可愛らしさが強調されているわけでもなく。
だからと言って、それが(少なくとも私には)マイナスになっていないのは、どのキャラクターも何かしら惹き付けるものがあるからに他ならないのですが、それが何かといわれるとふと考えてしまいます。
強いて言えば、メインキャラの由良ちゃんと飛鳥ちゃんが好きだから、ということになるでしょうか。
由良ちゃんならおっとりしていたり、お人よしなところだったり。飛鳥ちゃんなら、細かいことにこだわらずさっぱりしたところが。
この対照的な性格の二人は、仲が良くていつも一緒にいることが多いのも、読んでいて惹かれるものがあるのです。決して百合な雰囲気を漂わせているわけでは無いのですけど。
由良ちゃんのおっとりしてドジっ娘な部分を、飛鳥ちゃんが何だかんだ言いながらも、ちゃんと面倒を見たりフォローする場面や、逆に暴走気味になる飛鳥ちゃんのフォローをする由良ちゃんの苦労人ぶりに、微笑ましい思いをしながら眺める自分に気がつきました。今これを書きながら。
由良ちゃんと飛鳥ちゃんの話ばかりしていますが、他にも面白さを演出するキャラがいるわけで。
葉菜子ちゃんの無駄に元気なところや、千里ちゃんのオカルト好きな黒さも押さえるべきポイントですけど、個人的にはバレー部のエース、藤堂さんもいいキャラだと思います。主にちょっと可哀相な面でですが。
◎頑張れ藤堂さん
藤堂さんはバレー部のエースだけあり、長身でスレンダーな「ヅカスター」(by同じ部の岡田さん。藤堂さんのフォローに懸命な方)。
でも見かけとは正反対に、フリルのついた服が大好きという、乙女な心というか少女趣味の持ち主なのです。
そのギャップが(藤堂さんには失礼ですが)見ていて面白いわけです。
1巻では、苺柄のブラをしていることを危うく他の寮生に知られそうになったり、2巻では実家から送られたフリル付きのワンピースを、これまた他の寮生に見られかけたりしていますし。
こうした藤堂さんが持つ隠れた趣味を垣間見るだけでも面白いのですけど、その面白さを強調しているのが、藤堂さんと同じバレー部員であり、寮で同部屋の岡田さんの存在だと思うのです。
藤堂さんの少女趣味を他の人に知られないようにするだけでなく、メンタル面で弱い彼女のフォローに必死になるあたりが、見ていて愉快なわけです。
一応はバレー部の勝利のため、ということですけど、それ以上の(以外の)ことを深読みしてしまうのは、私の心が汚れているからかもしれません。余談ですが。
ちなみに藤堂さん、密かに飛鳥ちゃんに憧れているのも興味深かったりします。
飛鳥ちゃんを「シャルロット」と心の中で呼んでいたり(1巻ではうっかり本人を前に口に出してしまいますが)、彼女の長い髪に憧れていたり……。
2巻でも、夏祭りで偶然出会った飛鳥ちゃんのイメージを壊さないように、さり気なく必死になっているさまが面白いのです。
藤堂さんの想いが飛鳥ちゃんに通じる日は来るのでしょうか。
来たら来たで大変かもしれませんけど。
◎恋の話はまだ先のこと?
他にも、由良ちゃんたちの小・中学時代の同級生だった男子二人(島くんと木村くん。この二人は良く一緒にいることが多い)が出る時のお話も楽しかったり。
描き下ろし(後述)を見ても察せられますが、どうやら島くんは由良ちゃんが気になっていたようで。
でもそのことに全く気づかない由良ちゃんに、私としては「由良ちゃんらしいな」と安心するのでした。なぜ安心するかは触れませんが。
この2巻では、飛鳥ちゃんの家族構成(結構重いといえば重い)が明らかになったのもファンには興味深い内容ですが、個人的に印象的だったのは、本編最後のお話。
飛鳥ちゃんが、由良ちゃんは彼氏を欲しがっていると勘違いして、あれこれ気を揉む内容なのですが、それが読んでいてとても微笑ましく、余計な想像をたくましくしたものです。
1巻から通して読んでいると、飛鳥ちゃんがよく由良ちゃんの家に遊びに来たり、登下校、学校でも一緒にいる場面が多く描かれているだけに(飛鳥ちゃんがどれだけ意識しているかは分かりませんが)、二人の仲は結構強固なものがあるように感じてしまうのです。
このまま二人だけ(プラスハナちゃん、千里ちゃん)の世界が続くと思っていたところに、由良ちゃんが彼氏を欲しがっていると思うことで、これまでの日々が無くなる事に危機感を覚えるのも無理のないことです。
飛鳥ちゃん自身はその事をはっきり意識してはいないようですけど、由良ちゃんに彼ができることに内心反対しているあたり、飛鳥ちゃんの由良ちゃんに対する想いの強さ、大きさを感じたわけですが、実際はどうでしょうね?
だからと言って、直接的に百合と結論付ける気にはなれませんけど……。
◎描き下ろしが面白い! 続き(3巻)希望
さて2巻の巻末には、描き下ろしのショートストーリーが収録されていますが、これが実に面白い。
由良ちゃんたちが通う小学校に転校してきた飛鳥ちゃんが、由良ちゃんと仲良くなる経緯を描いたものですが、飛鳥ちゃんのたくましさが読んでいて痛快でしたね。
一方、由良ちゃんはいじめられっ子だったのが可哀相で……。自覚が無いのがせめてもの救いですが……。
島くんが由良ちゃんに気があるっぽい場面もさらっと出てきたり。
そういえば、本編でも飛鳥ちゃんがいじめられている由良ちゃんを助ける、ということが軽く触れられていましたっけ。
この描き下ろしは、そのあたりを補う意味でも描かれたのでしょうか。
まだ続くらしいので、3巻が待ち遠しいです。気が早いですが。
『ただいま勉強中』第2巻 辻灯子:著 芳文社:刊(まんがタイムコミックス) 本体619円+税
(試し読みもあり。「まんがタイムweb」内)
http://www.manga-time.com/new_0906/02/index.html
由良ちゃんならおっとりしていたり、お人よしなところだったり。飛鳥ちゃんなら、細かいことにこだわらずさっぱりしたところが。
この対照的な性格の二人は、仲が良くていつも一緒にいることが多いのも、読んでいて惹かれるものがあるのです。決して百合な雰囲気を漂わせているわけでは無いのですけど。
由良ちゃんのおっとりしてドジっ娘な部分を、飛鳥ちゃんが何だかんだ言いながらも、ちゃんと面倒を見たりフォローする場面や、逆に暴走気味になる飛鳥ちゃんのフォローをする由良ちゃんの苦労人ぶりに、微笑ましい思いをしながら眺める自分に気がつきました。今これを書きながら。
由良ちゃんと飛鳥ちゃんの話ばかりしていますが、他にも面白さを演出するキャラがいるわけで。
葉菜子ちゃんの無駄に元気なところや、千里ちゃんのオカルト好きな黒さも押さえるべきポイントですけど、個人的にはバレー部のエース、藤堂さんもいいキャラだと思います。主にちょっと可哀相な面でですが。
◎頑張れ藤堂さん
藤堂さんはバレー部のエースだけあり、長身でスレンダーな「ヅカスター」(by同じ部の岡田さん。藤堂さんのフォローに懸命な方)。
でも見かけとは正反対に、フリルのついた服が大好きという、乙女な心というか少女趣味の持ち主なのです。
そのギャップが(藤堂さんには失礼ですが)見ていて面白いわけです。
1巻では、苺柄のブラをしていることを危うく他の寮生に知られそうになったり、2巻では実家から送られたフリル付きのワンピースを、これまた他の寮生に見られかけたりしていますし。
こうした藤堂さんが持つ隠れた趣味を垣間見るだけでも面白いのですけど、その面白さを強調しているのが、藤堂さんと同じバレー部員であり、寮で同部屋の岡田さんの存在だと思うのです。
藤堂さんの少女趣味を他の人に知られないようにするだけでなく、メンタル面で弱い彼女のフォローに必死になるあたりが、見ていて愉快なわけです。
一応はバレー部の勝利のため、ということですけど、それ以上の(以外の)ことを深読みしてしまうのは、私の心が汚れているからかもしれません。余談ですが。
ちなみに藤堂さん、密かに飛鳥ちゃんに憧れているのも興味深かったりします。
飛鳥ちゃんを「シャルロット」と心の中で呼んでいたり(1巻ではうっかり本人を前に口に出してしまいますが)、彼女の長い髪に憧れていたり……。
2巻でも、夏祭りで偶然出会った飛鳥ちゃんのイメージを壊さないように、さり気なく必死になっているさまが面白いのです。
藤堂さんの想いが飛鳥ちゃんに通じる日は来るのでしょうか。
来たら来たで大変かもしれませんけど。
◎恋の話はまだ先のこと?
他にも、由良ちゃんたちの小・中学時代の同級生だった男子二人(島くんと木村くん。この二人は良く一緒にいることが多い)が出る時のお話も楽しかったり。
描き下ろし(後述)を見ても察せられますが、どうやら島くんは由良ちゃんが気になっていたようで。
でもそのことに全く気づかない由良ちゃんに、私としては「由良ちゃんらしいな」と安心するのでした。なぜ安心するかは触れませんが。
この2巻では、飛鳥ちゃんの家族構成(結構重いといえば重い)が明らかになったのもファンには興味深い内容ですが、個人的に印象的だったのは、本編最後のお話。
飛鳥ちゃんが、由良ちゃんは彼氏を欲しがっていると勘違いして、あれこれ気を揉む内容なのですが、それが読んでいてとても微笑ましく、余計な想像をたくましくしたものです。
1巻から通して読んでいると、飛鳥ちゃんがよく由良ちゃんの家に遊びに来たり、登下校、学校でも一緒にいる場面が多く描かれているだけに(飛鳥ちゃんがどれだけ意識しているかは分かりませんが)、二人の仲は結構強固なものがあるように感じてしまうのです。
このまま二人だけ(プラスハナちゃん、千里ちゃん)の世界が続くと思っていたところに、由良ちゃんが彼氏を欲しがっていると思うことで、これまでの日々が無くなる事に危機感を覚えるのも無理のないことです。
飛鳥ちゃん自身はその事をはっきり意識してはいないようですけど、由良ちゃんに彼ができることに内心反対しているあたり、飛鳥ちゃんの由良ちゃんに対する想いの強さ、大きさを感じたわけですが、実際はどうでしょうね?
だからと言って、直接的に百合と結論付ける気にはなれませんけど……。
◎描き下ろしが面白い! 続き(3巻)希望
さて2巻の巻末には、描き下ろしのショートストーリーが収録されていますが、これが実に面白い。
由良ちゃんたちが通う小学校に転校してきた飛鳥ちゃんが、由良ちゃんと仲良くなる経緯を描いたものですが、飛鳥ちゃんのたくましさが読んでいて痛快でしたね。
一方、由良ちゃんはいじめられっ子だったのが可哀相で……。自覚が無いのがせめてもの救いですが……。
島くんが由良ちゃんに気があるっぽい場面もさらっと出てきたり。
そういえば、本編でも飛鳥ちゃんがいじめられている由良ちゃんを助ける、ということが軽く触れられていましたっけ。
この描き下ろしは、そのあたりを補う意味でも描かれたのでしょうか。
まだ続くらしいので、3巻が待ち遠しいです。気が早いですが。
『ただいま勉強中』第2巻 辻灯子:著 芳文社:刊(まんがタイムコミックス) 本体619円+税
(試し読みもあり。「まんがタイムweb」内)
http://www.manga-time.com/new_0906/02/index.html

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