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『Toらいん・あんぐる』Vol.1(神崎りゅう子:著・一迅社:刊・2008年)感想

 2009-01-17
Toらいん・あんぐる01
 本来は重めのテーマ(後述)が背景に横たわる作品のはずですが、そうしたことを忘れるほどに笑えて楽しめる作品となっています。

 主人公の夕雅は見事な体型(グラマラス)の女性ですが、亡き父に男同然に育てられたために、自分を男と思い「漢」に憧れるキャラとして登場しますし、夕雅の異母兄・蒼麻は加減できないほどの怪力ゆえに、女性を傷つけてしまうのではという不安に駆られるキャラとして描かれています(それでいてぬいぐるみなどを手作りする女性的なところもある)。

 つまり、見た目と感性が男女入れ替わった兄妹の、ぎこちなさが生む愉快なやり取りが本作の笑いの中心だと思います。
 そこに、主人公たちの同級生や友人がうまく関わり、お話と笑いのバリエーションを広げることに成功しています。
 例えば、夕雅の同級生・遠音(おとね)あんずは優等生キャラとして登場するも、夕雅のマイペースぶりに振り回され、ツッコミキャラになってしまいました。
 同じく夕雅の同級生・新見杏慈恵(にいみあんじえ)は腐女子キャラとして、その思考を活かした言動で周囲を戸惑わせます。若干フリーダムなキャラでもありますね。
 他にも蒼麻の同級生・遠音つばきは、見た目と裏腹の黒さを発揮していますし。
 こうした愉快なキャラクターたちが、笑いを生み出して作品を彩っているのです。

 こうなればもう普通にコメディとして気軽に楽しみたくなるのですけど……。
◎二つの少し重めのテーマとは

ただ、先に述べたように、本作には二つの重めのテーマが存在するのを忘れることはできません。
一つ目は、夕雅と蒼麻の本当の意味での関係修復。
二つ目は、男性的感性を持つ夕雅が、無事に女性らしさを身につけてゆけるかということです。

一つ目を挙げた理由として、蒼麻の父が蒼麻と母を捨てて旅に出てよそで女性と仲良くなり、優雅と言う子どもを作ったから、があります。
夕雅にとっては自分を育てた尊敬すべき存在である父が、蒼麻にとっては自分たちを捨てて隠し子を作ったことで、許せないかもしれない存在となってしまったのですから。

ちなみに単行本及び現在連載分のお話を読む限りでは、若干のぎこちなさはありながらも、ほぼ普通の兄妹のように会話したりやり取りをしているので、二人のわだかまり(というよりは、蒼麻の父に対する不信感)は解決済みのようにも見えます。
ただ、蒼麻からは父を許す旨の発言などが無いので、完全な関係修復にはいたっていないようにも思えるのですが、考えすぎでしょうか。

二つ目に関しては、蒼麻や彼の幼なじみ・沙智たちの協力もあって、少しずつではあるが女性らしさを身につけているようです。
ただ、最近雑誌で掲載されたお話では、ある出来事をきっかけに、急速に女性らしさを意識して戸惑う優雅の姿が描かれているのでありますが。

◎その他好きなところなど

 普段はあまり感情を表さない夕雅ですが、それだけに時折見せる喜びや笑顔、つらいことにも健気に耐える場面が実に印象的です。
 特に第2話ではそうした場面が幾つか出てきます。
 例えば、蒼麻が作った料理の美味しさに感動して、お隣の飼い犬・サスケに興奮気味にその素晴らしさを話す場面がありますし、蒼麻が悪気は無いにしても、夕雅を避けてしまった後、サスケの頭をなでながら「…本当に気にしていませんよ」とつぶやいたり……。
 ちなみに第2話は、こうしたことがあったからこそ、夕雅が蒼麻の優しさを感じて嬉しさを噛みしめているであろう場面で終わるのが、いい余韻となっています。

 あと、拾ったDVDがアダルトなものだと知った後の、夕雅の狼狽振りが見られる場面も好きなところだったりします。夕雅には可哀相ですが(笑)。

 他には、登場回数は少ないものの、小さいながらもしっかりものな女の子・みっちゃんが出てくるお話も好きです。
 特に彼女を中心に、夕雅とあんずの愉快なやり取りを通じて、二人が次第に仲良くなる様子が描かれている回がお気に入りです。
 学校にお菓子を持ち込もうとする夕雅に、明日は抜き打ち検査をすると宣言するあんずを見て冷静なツッコミを内心行うみっちゃん。しっかりしてます。
 本当はお金持ちの家の子どもなのにそれを隠して二人と話し、夕雅からもらったお菓子を大事そうに抱えるあたりもいじらしいですし。

 巻末の描き下ろし作品は、沙智が自分の幼い頃を思い出す内容ですが、幼い頃は蒼麻の方が面倒見が良かったのに、今では沙智の方が蒼麻の面倒を見ることが多くなっているのでした。
 もっとも沙智はそれが嬉しいのですから、実に微笑ましいです。

 さて、以下は少し現在連載中のお話に関して。
 先にも少し触れましたが、急に夕雅が女性らしさに目覚め、蒼麻を兄と言うより異性として意識しはじめています。
 これまではゆっくりと女性らしさを身につけていただけに、急な変化が悪い方向に行かなければ、と思ってしまうのですが、如何に。

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